調教とは、SMプレイで快楽を覚えるようにSM初心者にトレーニングをすることです。
調教とは、もともと家畜などの動物に対して人の命令に従ったり、芸をするように仕込むトレーニングを意味します。
そこから派生して、SM初心者に対してSMプレイを憶えさせ、世間一般常識とは違ったアブノーマルなプレイで快感を得るように変えることを、侮蔑的な意味も含めて「調教」といいます。
SMの世界では、前述の侮蔑的な意味を踏まえて人間に対し調教を行う。
これは世間の一般常識に慣らされてしまっている相手に対し、SM的手法による性的快楽を促すためのものである。
具体的には、羞恥心は誰もが持っているものであるが、その羞恥心によって性の喜びを享受しきれない場合もある。
例を挙げるなら、「緊縛されたり、鞭打たれたり、浣腸されたりすることで快感を覚えることが変態性欲であり、それが異常だと思っている」相手を、「緊縛や鞭打ち、浣腸(その結果の、他人の眼前での排泄なども含む)という行為で快感を覚える、現実の自分自身を恥じないようにする」、そんな一種の教育をSM世界での「調教」と呼ぶ。
またあるいは、被虐者が責め手のきびしく淫猥な責めプレイなどに耐えかねて、「その羞恥や苦痛、恥辱から脱したい、もしくは周囲の人間に救いを求めたい」、などと思いかけた際に、「その思いを上まわる快楽やSMプレイへの欲求を、被虐者の心身に修得させ、改めてSMの世界に引きずり込む」ことも、同様の「調教」といえる。
ただし、あくまでSMプレイの範疇であり、精神的に追いつめると、意図しない結果を招くこともある。
一般的に肉体的精神的苦痛を受けた人間は、苦痛を与える人間に従順になり、ある程度の命令に従うようになる。
その傾向が強くなると、暴力ですら好意的にとらえ、相手に依存感情を持つ場合すらある。
これはSMとは関係ない人間の適応機制の一種であり、防衛反応の一種である。

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